2009-07-19から1日間の記事一覧

脱稿

『徒然草』のホームページをリニューアルしました。徒然草(吉田兼好著・吾妻利秋訳)このブログ(?)は、これで終了ですが、これからもどうぞよろしくおねがいします。

跋文

■ 原文底本 跋文這両帖、吉田兼好法師、燕居之日、徒然向暮、染筆写情者也。頃、泉南亡羊処士、箕踞洛之草廬、而談李老之虚無、説荘生之自然。且、以晦日、対二三子、戯講焉。加之、後将書以命於工、鏤於梓、而付夫二三子矣。越、句読・清濁以下、俾予糾之。…

第二百四十三段

■ 原文八つになりし年、父に問ひて云はく、「仏は如何なるものにか候ふらん」と云ふ。父が云はく、「仏には、人の成りたるなり」と。また問ふ、「人は何として仏には成り候ふやらん」と。父また、「仏の教によりて成るなり」と答ふ。また問ふ、「教へ候ひけ…

第二百四十二段

■ 原文とこしなへに違順に使はるゝ事は、ひとへに苦楽のためなり。楽と言ふは、好み愛する事なり。これを求むること、止む時なし。楽欲する所、一つには名なり。名に二種あり。行跡と才芸との誉なり。二つには色欲、三つには味ひなり。万の願ひ、この三つに…

第二百四十一段

■ 原文望月の円かなる事は、暫くも住せず、やがて欠けぬ。心止めぬ人は、一夜の中にさまで変る様の見えぬにやあらん。病の重るも、住する隙なくして、死期既に近し。されども、未だ病急ならず、死に赴かざる程は、常住平生の念に習ひて、生の中に多くの事を…

第二百四十段

■ 原文しのぶの浦の蜑の見る目も所せく、くらぶの山も守る人繁からんに、わりなく通はん心の色こそ、浅からず、あはれと思ふ、節々の忘れ難き事も多からめ、親・はらから許して、ひたふるに迎へ据ゑたらん、いとまばゆかりぬべし。世にありわぶる女の、似げ…

第二百三十九段

■ 原文八月十五日・九月十三日は、婁宿なり。この宿、清明なる故に、月を翫ぶに良夜とす。 ■ 注釈1 婁宿 ・古代中国の天文学で、黄道に近い二十八星座を基準に月や太陽の位置を示した。これを二十八宿と呼び、「婁宿」は、その一つ。参照:婁宿 - Wikipedia…