第十六段

■ 原文

神楽こそ、なまめかしく、おもしろけれ。

おほかた、ものの音には、笛・篳篥。常に聞きたきは、琵琶・和琴。


■ 注釈

1 笛
 ・神楽に使う大和笛。

参照:笛 - Wikipedia

2 篳篥
 ・中国から伝えられた竹の笛。

参照:篳篥 - Wikipedia

3 琵琶
 ・雅楽に使う琴。

参照:琵琶 - Wikipedia

4 和琴
 ・伴奏に使う日本の弦楽器。

参照:和琴 - Wikipedia


■ 現代語訳

宮中サロンの演奏会は優雅で心を揺さぶる。

よく響いて聞こえてくる音は、普通の笛と小さな竹笛の音色で、いつまでもずっと聴いていたいのは、琵琶や琴の音だ。