第百九十七段

■ 原文

諸寺の僧のみにもあらず、定額の女孺といふ事、延喜式に見えたり。すべて、数定まりたる公人の通号にこそ。


■ 注釈

1 定額の女孺
 ・一定の定員数の意味で、平安時代以降、寺院に住む物で朝廷から生活保護を受ける定員を限った僧を定額僧と呼ぶ。女孺は宮中に仕える下級の女官。

参照:定額僧 - Wikipedia

2 延喜式
 ・朝廷の行事、官僚の作法、役所の事務規定を記した文献。

参照:延喜式 - Wikipedia


■ 現代語訳

各地の寺の僧だけでなく、宮中の下級女官まで定員がある。これは『延喜式』に書いてあることだ。「定額」とは、定員が決まっている役人の肩書きである。