第二百段

■ 原文

呉竹は葉細く、河竹は葉広し。御溝に近きは河竹、仁寿殿の方に寄りて植ゑられたるは呉竹なり。


■ 注釈

1 呉竹
 ・中国から渡来したので「唐竹」とも言う。別名を「ハチク」。

参照:ハチク - Wikipedia

2 河竹
・女竹、なよたけ、にがたけ。

参照:メダケ - Wikipedia

3 御溝
 ・御溝水の略で、宮中の庭園を流れる溝。ここでは、清涼殿の前にある溝。

参照:御溝水 - Wikipedia

4 仁寿殿
 ・清涼殿の西にある建物で、宴会、角力、御遊が開催される場所。

参照:仁寿殿 - Wikipedia


■ 現代語訳

呉竹は葉が細く、河竹は葉が広い。帝の御座所の池にあるのが河竹で、宴会場に寄せて植えられたのが呉竹である。