紅葉賀

紅葉賀の帖 | MOMIDINOGA

主人公、ゲンジ十八歳の正月から十九歳の秋までである。 藤壺 …… 二十三歳から二十四歳 葵上 …… 二十二歳から二十三歳 若紫 …… 十歳から十一歳 これまでのあらすじ 主人公、光ゲンジは皇帝の息子である。彼の母親は桐壺更衣と呼ばれた、なかなかの美人だった…

紅葉賀の帖 五 藤壺の立后、ゲンジの君の昇進

(現代語訳) 七月には、藤壺宮が中宮に立ったようである。ゲンジの君も太政官の参議に昇進したのだった。ミカドは、近く引退する決意で「藤壺宮が産んだ若宮を東宮にしたい」と目論んでいる。しかし、適当な後見人もいなく、藤壺宮の親族は皆、皇子たちなの…

紅葉賀の帖 四 源内侍と夕立の夜

(現代語訳) ミカドはいい年をして、なお女好きだった。配膳や身の回りの世話をする女官たちも、見た目や性格を重視していたので、後宮の女たちは精鋭揃いなのである。ゲンジの君がちょっかいを出すにしても、相手には事欠かない風情なので、もう見飽きてし…

紅葉賀の帖 三 藤壺宮の御子誕生

(現代語訳) ゲンジの君が参賀に行く場所は、数が知れていた。ミカドと、皇太子、それから前のミカドだけだったが、藤壺宮がいる三条宮殿にも行った。 「今日は格別に美しく見えること。歳を重ねて、怖いぐらいに成熟されていますわね」 と囁き合う女官たち…

紅葉賀の帖 二 ゲンジの君、里に下がった藤壺を訪ねる。その後の若紫

(現代語訳) そんな折、藤壺宮は里に下がった。当然ながら、ゲンジの君は、何とかして逢えないものかと、機会を探して徘徊していたので、左大臣家では騒乱が発生していた。おまけに、あの若紫を引き取ってから、誰かが「二条院では、女を囲っているようです…

紅葉賀の帖 一 紅葉の賀

(現代語訳) 朱雀院への行幸は十月十日頃なのだった。ありふれた行事とは違って世紀の祭典なのだから、後宮の后や女御たちは、鑑賞できずに不満が募った。ミカドは、藤壺宮に見物させてやれないのを寂しく思ったので、後宮で通し稽古をさせることにしたのだ…